米沢・置賜地方において、鯉は単なる食材以上の意味を持ってきました。古くは江戸時代、名君・上杉鷹山公が飢饉に備え、貴重なタンパク源として養殖を推奨したのが始まりと言われています。
そこから歳月を経て、鯉は「立身出世」や「家内安全」を願う縁起物として、お祭りや結婚式、お正月といった「ハレの日」の食卓に欠かせない存在となりました。山形の人にとって、鯉の甘煮の香りは、家族が集まる楽しい記憶と結びついているのです。
時代は変わっても、大切な人を想い、健康を願う気持ちは変わりません。贈り物として最上鯉屋の箱が届いたとき、その重みに山形の歴史と贈り主様の真心が感じられるよう、私たちは伝統食の「守り手」として、今日も丁寧に一皿を仕立てています。