最上川の恵みとともに歩む、百年の物語山形県大江町。
かつて最上川舟運の要衝として栄えたこの地で、私たちは「鯉」という伝統食を守り続けてきました。
最上鯉屋が大切にしているのは、単なる味の追求ではありません。
それは、地域の歴史を紡ぎ、自然を尊び、次世代へと繋いでいく「文化の継承」そのものです。
私たちの原点は、山形の母なる川・最上川にあります。大江町の清らかな水質と、厳しい四季がもたらす寒暖差。この過酷ながらも豊かな自然環境が、鯉の身を力強く引き締め、泥臭さのない上品な旨味を育みます。
地域の気候風土を熟知した職人は、一尾一尾のコンディションに目を配り、対話するように最適な環境を整えます。古くからお祭りや祝い事など、地域の「ハレの日」に欠かせないごちそうとして愛されてきた誇り。その伝統の重みを胸に、私たちは今日も一皿に真心を込めています。
最上鯉屋の味を決定づけるのは、創業以来、絶やすことなく守り続けてきた「秘伝の煮汁」と、言葉では語り尽くせない「職人の五感」です。 美味しさの土台となる下処理は、指先の感覚を研ぎ澄ませた職人が一尾ずつ丁寧に行い、機械では到達できないレベルまで雑味を徹底的に取り除きます。
続く煮込みの工程では、鯉の大きさや脂の乗りを見極め、火力を自在に操る「火加減の妙」を追求。じっくりと時間をかけて芯まで熱を入れ、骨まで柔らかく仕上げながらも、美しい身の形を保つその姿には、老舗専門店としての誇りが宿ります。
私たちは、鯉が育つ豊かな山形の自然を次世代へそのまま残していく責任があると考えています。 その根幹となるのが、独自の厳格な基準に基づいた徹底的な水質管理です。養殖場の水を常に清らかに保ち、自然環境への負荷を最小限に抑えるエコな養殖方法を追求し、母なる最上川の生態系と共生する道を選んでいます。
また、山形の四季が描くリズムを尊重し、最も美味しい「旬」の時期に合わせた加工を行うことも私たちのこだわりです。一過性の効率ではなく、百年先も美味しい鯉を届けられる環境であるために。私たちは自然を愛し、寄り添いながら、誠実な養殖を未来へと繋いでまいります。
鯉は古来より「立身出世」や「長寿」の象徴として、大切な節目を彩る縁起物として重宝されてきました。私たちはその誇り高き文化を尊び、最上鯉屋としての品格を贈答品の一箱一箱に込めています。
私たちの味づくりは、お客様から頂戴する温かな声と共にあります。長年愛されてきた伝統を守りつつも、時代に合わせた味付けの微調整や利便性を追求したパッケージの改良を重ね、常に「今」最も喜ばれる形を追求し続けています。
「鯉を食べる」という習慣は、日本の美しい原風景を守ることでもあります。 最上鯉屋は、これまでも、これからも。 大江町の風土が育んだ伝統の味を、一途に、誠実に守り抜いてまいります。
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